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パラアスリート伴走者のセカンドキャリア【後編】
こんにちは!マイナビアスリートキャリア広報担当の渡邉です。
前回に引き続き、セカンドキャリアのサポートをさせていただいた日野未奈子さんと、キャリアアドバイザーを務めた鍵さんの対談です。前編を読んでいない方はそちらからお読みください!
- 競技について
- 女性の伴走者は少ないのでしょうか?
- 前職では競技との両立は難しかったのでしょうか?
- 競技を引退して感じること
- 競技引退を決めたことに理由はありますか?
- 引退後のキャリアは、以前から描いていたのでしょうか?
- 競技生活を振り返っていかがですか?
- ご自身のキャリアについて
- 輝かしいキャリアとは裏腹に、自分に自信が無いとおっしゃる日野さん。
- 新しい会社で楽しみなこと、不安なことを教えてください。
- 鍵さんは、日野さんに対して楽しみにしているところはありますか?
- 日野さん・鍵さんの『強み』とは?
- 日野さんの一番の強みってどんなところですか?
- 日野さんは、鍵さんの話を聞いていかがですか?
- 逆に、日野さんの思う鍵さんの強みなどはありますか?
- 転職活動の準備・競技が活きたこととは?
- 事前に準備しておけば良かったと思うことはありますか?
- 他のアスリートにも言えることなのでしょうか?
- 転職活動において『競技経験が活きたな』と思うことはありましたか?
- 最後に、今後の目標や意気込みを教えてください!
- まとめ
競技について
社会人でパートナーを組んだ井内選手との写真(左側が日野さん)
今後競技とはどういった付き合い方をしていく予定ですか?
日野さん:愛媛県でもパラアスリートクラブやランニングクラブがありますので、そちらに顔を出し、まずは家から出ることや誰かと話すことに喜びを感じるような方たちと一緒に走って、やりがいや必要性を伝えていきたいと思っています。コロナウイルス流行以降、オンラインで繋がることが増え、いつでもだれとでも話ができる時代だと思いますので、将来的には色々な形での情報発信や普及活動、講演活動や伴走体験会をしたいなと思っています。障がい者スポーツのことをよく知らない方に楽しんでもらえるような活動をしたいですね。
鍵さん:僕たちも東京から応援してます!
女性の伴走者は少ないのでしょうか?
日野さん:そうですね。少しずつ増えてはいるとはいえ、伴走者には選手以上の走力が求められるので、その点がネックになってしまいます。また、出産、育児などライフスタイルに変化があるとランニングから離れてしまうので・・・。今後は、セカンドキャリアに悩む女性アスリートをターゲットとしてお話する機会があればいいなと思っています。
女性活躍を目指した講演活動の写真
前職では競技との両立は難しかったのでしょうか?
日野さん:私の場合、その点にはすごく恵まれていて、業務の一部としてトレーニングや遠征に行かせてもらっていたので、全くしんどくはなかったですね。これから週5日ずっと会社で働き続ける方が少し不安です・・・笑
両立を実現するには、やはり自身の活動を社内外に対して積極的に発信して支援者を増やしていくこと以外無いのかなと思います。社会人になってより、1人では何もできないということを痛感してきたので。
どんなツールを使ってでも、自分から動いて支援者の輪を広げていくのはすごく大切だと思います。
鍵さん:僕もそう思います。生きる上で自分のファンを作ることってすごく大事だなと感じます。やはり1人では生きていけなくて、頼ったり頼られたりを繰り返していくと、自分の能力はどこまでも伸びていくなと思います。自分から積極的に動いて仲間を作ることは、何をするにしても大事です。
競技を引退して感じること
競技引退を決めたことに理由はありますか?
日野さん:はい。世界大会に出られなくても、1つの区切りになるなと思っていました。そこに結婚が重なったので、引退しようと決めました。ただ、引退を機に今後全く競技に触れないということではなく、走ることや伴走の活動は、どんな人とでも、どんな環境でも続けていきたいと考えていたので、すっと受け入れられました。
引退後のキャリアは、以前から描いていたのでしょうか?
日野さん:いつかは引退をすると考える中で1つ転機となったのが、大学院在学時の愛媛県のパラアスリートクラブでの講師経験です。「まず家から1歩出てみよう」とか、「まずマラソンや大会で完走することが目標」とか、他にもいろんな思いや目標、やりがいを持って集まっている方と交流する機会を頂きました。「あ、地域に貢献するってすごく魅力的だな」と思い、そこで引退後の自身の立ち位置や障がい者スポーツとの関わり方みたいなものが初めてクリアになったんです。その時に引退に対しても悲観的にならず考えることができました。
その地域に根ざした障がい者スポーツというのはどこにいてもできます。引退へシフトチェンジできたらいいなと思った時、ありがたいことに愛媛に帰る機会があり、地元に戻れることになったので、私としては願ったり叶ったりでした。「引退」をいい意味でポジティブに考えることができましたね。
競技生活を振り返っていかがですか?
日野さん:中学校から陸上競技を始め、大学生になってからはなかなか走れない時期が続いていた時に、コーチに勧められて伴走活動を始めました。自分の競技のためだけに頑張ること以外の形で一生懸命になれたことが、嬉しかったなというのが素直な思いとしてあります。伴走活動をやっていく中で、伴走者として選手と一緒にゴールを目指すということにもやりがいを感じていましたが、社内外への情報発信や講演活動を通じて、人前で話したり、自分の思いが誰かに影響を与えられたりすることにもやりがいを感じられました。1人で走っていただけでは絶対に気づけなかったことなので、新しい自分の可能性を見つけてもらった伴走活動は、かけがえのないものだなと思います。
愛媛県に帰ることのきっかけにもなった愛媛県のパラアスリートクラブでの写真
(中央ピンク色のTシャツが日野さん)
ご自身のキャリアについて
輝かしいキャリアとは裏腹に、自分に自信が無いとおっしゃる日野さん。
そんな不安をどう乗り越えていますか?
日野さん:仕事もできないしダメダメ人間だと自分では思っていますが、スポーツをしてきたからこそ、すぐにメールの返信をしたり、何かあれば報告・相談したりなど、基本的なところは徹底するよう心掛けています。そういったところから信頼関係をつかめればいいかなと思っています。意外と大事なことではないでしょうか。
鍵さん:レスポンスの早さはビジネスシーンでは凄く大事だと思います。
日野さん:それ以外でいうと、もっとうまくなりたい、学びたいという気持ちがあるので、どうせやるならきちんとやりたいですし、いつかは成長するだろうと思って何事にも挑戦しています。営業も、多分最初は苦しむと思いますが、どうせやるなら成長したいですね。
鍵さん:絶対成長すると思います!日野さんが今のモチベーションや思考のプロセスでチャレンジし続ければ、色々なチャンスが目の前に現れるのではないかと、僕自身凄くわくわくしています。次のステージで更なる飛躍を期待しております。
新しい会社で楽しみなこと、不安なことを教えてください。
日野さん:まず不安なところは、やはり今までに経験したことのない業界なので、厳しいものだとは思っていますが、想像をはるかに超える厳しさで自分がへこたれないかというところです。
楽しみなところは、今までは競技者として、所属企業やサポートチームなどの限られた範囲内での活動だったのが、今後営業活動を通じてたくさんの地域、企業の方とお会いして話ができたり、仕事ができたりするということで、自身の活躍の幅が広げられるというところです。だからこそ、自分が今まで培って大切にしてきたコミュニケーション能力などが試されるタイミングでもあるなと思います。
鍵さんは、日野さんに対して楽しみにしているところはありますか?
鍵さん:たくさんありますね。
生まれ育った地元に帰って仕事ができるというのは幸せなことだと思いますので、まずは純粋に楽しんでほしいなと思います。また、日野さんには他の人にはない強みや良さがたくさんあると思います。例えばコミュニケーション能力だったり、芯の強さ、負けず嫌いなところだったり、本当に自分が良いと思った障がい者スポーツを発信する能力だったり。そういった強みを活かして、令和版のビジネスウーマンのロールモデルになれるのではないかと強く思っています。
日野さん・鍵さんの『強み』とは?
日野さんの一番の強みってどんなところですか?
鍵さん:逆境力かもしれませんね。大変なこととか上手くいかないこととか、上手くいっているように見えてできていないこととかたくさんあったと思いますし、転職活動中も多々あったかと思います。しかしその時に自分の現在地を正しく把握して、なおかつ周りからのアドバイスをうまく自分の中に取り入れ、取捨選択し、そこから跳ねる力が、他の人と比較しても非常に長けているなと感じています。
日野さんは、鍵さんの話を聞いていかがですか?
日野さん:そうですね。現状に満足せず、常に向上心をもって頑張れる性格なので、まさに「ここは良くない」とか「もっと伸ばせる」とかを言っていただくと素直にそこに向かってジャンプしていける部分はあるのかなと思います。鍵さんにはそこを最大限に引き出していただいたと思います。
逆に、日野さんの思う鍵さんの強みなどはありますか?
日野さん:内定を取ることだけではなく、今後の生き方や考え方のところまで寄り添ってくださる点だと思います。私自身、この過程がこれからに繋がる1つの人生経験にもなりました。また、お会いする前に私のことを調べてくださっていたことは伝わりましたので、私のことを知ってくれているということも信頼へ繋がりました。「この方と一緒に転職活動をしていきたい」「成功させたい」と思いましたので、真剣に取り組みたい人ほど鍵さんに頼っていってほしいと思います。中途半端ではなく、アスリートとしても頑張ってきて、キャリアも真剣に考えている方であれば、鍵さんとともに内定が勝ち取れるのではないかと思います。
鍵さん:信念をもってやっていることですので、こうしてユーザーの方に直接フィードバックをいただき、感慨深いです。ありがとうございます。
転職活動の準備・競技が活きたこととは?
事前に準備しておけば良かったと思うことはありますか?
日野さん:たくさんありますが、「この仕事は自分には合わなそう」と思わないようにすることです。そう考えてしまう前に、エージェントや誰かに相談するというアクションが大事だったなと思います。自分で自分の可能性を潰さず、まずは受けてみることでチャンスが広がることは絶対にあると思いました。新卒の頃の自分にも戻って、伝えたいです。
鍵さん:本当にそう思います。自分の可能性を狭めないこと、信じることはすごく大事です。自ら選択する中でも、そういったことは意識するべきだと思います。
他のアスリートにも言えることなのでしょうか?
鍵さん:多いと思います。逆に、自分に自信を持っているからこそ、選択肢を広げすぎてしまい、受からなそうな会社ばかりに応募してしまうこともあり得ます。そのバランスや自分のことを正しく理解することができると良いと思います。
転職活動において『競技経験が活きたな』と思うことはありましたか?
日野さん:今思えば、すべてプラスだったかなと思います。最初はスポーツしかしていないという考えで、スキルも何もないという負い目があったんです。それを変えていただいて、自分が今までやってきた事は自信を持っていいことなんだって思えました。転職活動を終えた今も、そういうマインドになれてますし、自己PRや職務経歴の伝え方は練習していけば、会社や採用に関わる方にはちゃんと伝わります。
現在はアスリートとして競技に打ち込んでいて、これから今後の進退やセカンドキャリアを考える方にも、「絶対今この瞬間は無駄じゃない」と伝えたいです。
井内選手とのトレーニング中の写真
最後に、今後の目標や意気込みを教えてください!
日野さん:まず素直に、自分の生まれ育った地元に帰ることができ、キャリアを新しく築けることに喜びを感じているので、この想いを持ち続けたいと思います。また、これまでアスリートを15年近く続けさせてもらってきて、家族の支えが特に大きかったです。家族への恩返し・親孝行みたいなところで、地元で頑張ったり、女性としてキャリアを築く姿を近くで見せたりできたらなと思います。あとは元気に健やかでありたいですね。
まとめ
以上、日野未奈子さんでした。
様々なアスリートにいえることは「スポーツしかしてこなかった」と、スポーツの経験を就活や仕事に活かせないとネガティブに考えてしまっている点だと思います。スポーツをしてきたからこそできた経験やそこで得た強みを活かすことができれば、社会でも活躍できると改めて思いました。
日野さんはアスリートを引退しますが、引退後も障がい者スポーツの啓蒙活動にご尽力されるということです。入社後の活躍や今後の活動も応援しています!
日野さん、改めて内定おめでとうございます🎉
そしてインタビューありがとうございました!
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