アスリートインタビュー

瀬川琉選手(保護犬格闘家)

エコプロコート株式会社所属

こんにちは!マイナビアスリートキャリア広報の渡邉です。
今回は来年4月からエコプロコート株式会社(https://www.ecoprocoat.co.jp/)にてデュアルキャリアをスタートさせる、保護犬格闘家・瀬川琉さんにインタビューさせていただきました!
『保護犬格闘家』って何!?と思った方はぜひ最後までお読みください🐶

目次

瀬川琉選手
エコプロコート株式会社・愛犬の床
保護犬格闘家


競技歴
・5歳から空手を始める
・19歳でプロ格闘家へ
・現在はキックボクシング(フェザー級)で活躍中
主な戦績
ワールドユースエリート 3位入賞(空手)

1日のスケジュール※2021年12月2日時点

瀬川さんは現在、週6日の練習に加え、通信制の大学に通いつつ、4月からデュアルキャリアアスリートとして入社する予定の「エコプロコート株式会社」で研修、週3日は別の有給インターンのアルバイトをするという、忙しい日々を送っています。

現在の出社日(研修)は週1~2回

出勤時
9時~17時 仕事
18時半~20時半 練習

2部練
12時~13時半 練習
14時~17時 インターン・アルバイト
18時〜20時半 練習

こちらに加え、現在通っている通信制の大学の授業も受けられているとのことです!

デュアルキャリアについて

ここからは瀬川さんにいくつか質問をさせていただきました!

Q:デュアルキャリアをしようと決めたきっかけを教えてください。

自分をサポート・スポンサーしてくださる企業を探していたところ、エコプロコート株式会社を見つけました。この会社は「愛犬の床」というペット向けのフロアコーティングのサービスを展開して、私も保護犬の活動をしているのでお声掛けさせていただいたのがきっかけです。お声がけした際、すでにデュアルキャリアアスリートが在籍していました。私の知り合いにも同じような働き方をしているアスリートがいて漠然としたイメージはあったので、スポンサーになっていただくと同時にデュアルキャリアアスリートとして翌年4月から働かせて頂くことになりました。

Q:スポンサーのアプローチをしたところから、デュアルキャリアを始めるきっかけになったのですね!

元々、『23歳で格闘技1本で食べていけなければ、競技を引退しよう』と考えていました。よく夢を追ってその道1本でやっていくことは肯定されがちですが、私の中でお金は重要な位置にあり、夢を追うためだけにアルバイト生活はしない、と考えていたからです。しかし今の実力だと厳しく、アルバイトでの生活も必要で、正直引退を考えていました。すると会社の代表の方が「(引退の)年齢は決めないで、デュアルキャリアでやってみたら?」と提案してくださったんです。

Q:エコプロコートではどんな仕事をする予定ですか?

エコプロコート株式会社はフロアコーティングを行っている会社です。WEBマーケティングで集客したお客様に対して、フロアコーティングを販売する会社です。その中の1つのサービスとしてペットを飼われている住宅向けに「愛犬の床」と言うサービスでフロアコーティングをしています。
私は現在研修期間ということもあり、営業補佐兼広報として働いています。主な仕事は、見積書作成・図面の計算・電話対応・追い客対応などと、社内報やブログの作成です。本来の研修期間は2カ月間ですが、私が現在通信制の大学に通っているため、会社にお願いをして、来年の4月まで研修期間として働かせてもらっています。入社後は本格的に営業として働く予定です。

仕事・競技のモチベーションについて

Q:現在は研修中とのことですが、競技と仕事それぞれのモチベーションを教えてください!

競技面
私の中で格闘技は、応援してくださる方々と一緒に前を向くための1つの手段だと思っています。空手をしていた時はアマチュアで、習い事の延長線のような感覚でした。今はプロになってより責任を感じるようになりましたし、他の格闘家より恵まれているなと感じます。たくさんの方に応援していただいているので、その分頑張らないとなと思います。
また、エコプロコート株式会社の会社理念として、『仕事は楽しく!』という信条があるので、仕事と同じくらい日々のトレーニング・プロモーションも楽しんでやろうと思っています。
仕事面
世間ではまだまだ、デュアルキャリアアスリートの雇用に前向きではない企業もあるかと思います。しかし、会社は私を雇ってくれました。選んでくれたからこそ、いろいろな方法でメリットを提供したいと思っています。
社員の皆さんは、私の夢・目標・意見などを一切否定せず聞いてくれます。仕事を通じて様々な経験をさせていただいたり、会社として応援していただいたりしているので、恩返しをしたいというのがモチベーションにも繋がっています。

Q:仕事との両立は大変ではないですか?

仕事が苦になったことはありません!私はまだできないことも多いのですが、上司はできたら褒めてくれ、いい人ばかりなので職場にいることがすごく楽しいです。それに、練習のほうがよっぽどキツイので!(笑)そう思えることはアスリートでよかったなと感じることの1つです。


左から2人目(グレーのマスク)が瀬川さん

デュアルキャリアのメリット・デメリット

瀬川さんの考えるメリット・デメリット
Q:デュアルキャリアのメリットを教えてください。

1つ目は、セカンドキャリアという言葉はあまり好きではありませんが、セカンドキャリアを見据え、社会人のスキルを学べたことです。
パソコンの使い方、名刺交換の仕方など、もし格闘技だけをしていたらできなかったことがたくさんあったと思います。
もし30歳で引退したとしたら、周りの30歳の人達は会社で結果を残したり、役職が付いたり、スキルを身に付けたりしているのに、自分には戦える武器がない状態になってしまいます。それを解消できるのは大きなメリットです。
2つ目は、ずっと1つのことを考えることがないということです。
競技・仕事のどちらかだけだと、失敗や嫌なことがあれば落ち込んでしまうこともあると思いますが、デュアルキャリアでは上手くいかなくても他のところで頑張ればいい!と切り替えができます。双方がリフレッシュとなり、刺激になるので、いつも新鮮な気分で挑んでいます。

Q:セカンドキャリアという表現はどうして好きではないのでしょうか?

格闘技は1つの手段であり、引退したら他のものに変わるだけだからです!自分をブランド化して生きていきたいと思っているので、現役中でも引退しても、自分であることに変わりはありません。「瀬川琉」として仕事をしていきたいなと思います。

Q:逆に、デュアルキャリアのデメリットは何だと思いますか?

1つのことを考えることがないと言いましたが、悪く言えば集中力が欠けてしまいます。うまく切り替えをすることが大切ですね。

デュアルキャリアのコツ
Q:デュアルキャリアにおいて、結果を出すために大切だと思うことを教えてください。

私が満足な結果を出せていないことが前提となりますが、習慣化することが大切だと思います。仕事終わりにトレーニングに行くことを特別なことだと思わずに、コツコツ努力しています。
また、時間が限られた中でどんな方法が一番効率的なのか、いい方法を見つけることを意識しています。

Q:効率的な方法は見つかりましたか?

まだ模索中です。でも、試合でどう力を発揮するかを考えれば練習時間はそんなに何時間もいらないと思います。格闘技は競技時間が10分~15分と短いので、試合に近いメニューにしたり、メンタル面を整えたりしています。

保護犬の活動について

保護犬の活動を始めたきっかけ
Q:保護犬の活動をはじめたきっかけを教えてください。

きっかけは、飼っていた犬とそっくりな犬が保護犬カフェにいて、その子を引き取ったところからです。引き取った1年後に格闘家としてプロデビューし、保護犬カフェに感謝の意味を込めてファイトマネーを寄付させていただきました。

Q:そこから「保護犬格闘家」と名乗るようになったのでしょうか?

実は最初はあまりアピールしていませんでした。保護犬Tシャツを作成したときに私の好きなはあちゅうさんにプレゼントしたところ、「保護犬格闘家としてアピールしたほうがいい!」と言っていただき、そこから名乗るようになりました。

Q:具体的にはどんな活動をされていますか?

寄付活動がメインになります。「愛犬の床」とのコラボグッズを出してその売り上げを寄付したり、保護犬カフェのボロボロの柵を直したり・・・。本当はボランティア活動でも貢献したいのですが、今は練習もあり忙しいので寄付をメインで活動しています。

Q:保護犬と格闘家、周りの方の反応はいかがですか?

犬と格闘家はかけ離れて見られることが多く、「意外!」とよく言われます。しかし、保護犬の活動を通して私を知ってくれたファンの方が多いんです!他の格闘家とはファン層が違うと思いますし、スポンサーや会社もその点を通じて応援してくれているので、改めていろんな人に認められて活動できているなと感じています。

活動への想い

Q:保護犬の活動はどんな想いで取り組んでいますか?

今の日本で犬を飼う際はペットショップでの迎え入れが主流だと思いますが、私の活動を通じて保護犬という選択肢を知っていただき、保護犬を飼うことが選択肢の1つになると良いなと思っています。
また、引退したら保護犬カフェを経営したいと思っています。そのためにも今できることに全力を注いで、応援してもらえるような存在になりたいです。

今後の目標・夢

Q:今後の目標・夢を教えてください!

競技の目標は、所属する団体でチャンピオンになることと、テレビで放送されているような、観客が4000~5000人くらい入る規模の大きい会場で試合をすることです。
競技以外では、保護犬カフェを開くことです。可能なのであれば、会社の社員さんたちと一緒に経営したいと思っています!あとは、Instagramのフォロワーを1万人に増やすことです!

Q:コーチなどは考えていないのですか?

コーチもやってみたいし、会社にも勤めたいと思っています。それこそデュアルキャリアですね!(現役中も引退後も)1つのことだけをやる必要はないし、格闘技が別のものに変わっても、いろんなことに挑戦していきたいです!

取材後記

今回はエコプロコート株式会社の瀬川琉さんにお話を伺いました。
競技を引退することを考えていた瀬川さんの新たな選択肢となったデュアルキャリア。戦績だけでなく、選手の人柄やキャラクターが重視される世界だからこそ、練習の傍らプロモーション・SNSを運用し、さらに仕事もこなしていくのは大変なことだと思います。「いろいろなことに挑戦したい」という言葉がとても心に響きました。今後のご活躍も応援しています!
取材にご協力いただきありがとうございました!

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