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東京から沖縄へ移住。人生を豊かにしたフレスコボールとの出会い
スポーツ経験は、スポーツだけに還元されるものではなく、社会で生き抜くチカラに変換されていきます。
過去にスポーツをしていた、または現在もあるスポーツで活躍している人は、どのようにキャリアを選択して今、輝いているのか。
アスリート自身の経験談から「次の一歩」のヒントを得ていきます。
大久保美音(おおくぼ みおん)
競技はフレスコボール。
大学時代ラクロスを4年間経験し、その後指導者の道へ進み3年。
コロナ渦にラクロス教室が休止したことをきっかけに、フレスコボールと出会い競技者となる。現在は東京から移住し、株式会社凌芸舎ディレクター兼日本フレスコボール協会ディレクターとフレスコボール日本代表としてデュアルキャリアを歩む。
―経歴
日本女子体育大学卒業
株式会社凌芸舎 沖縄オフィス勤務
一般社団法人日本フレスコボール協会ディレクター兼任
琉球フレスコボールクラブ代表(地域クラブ・沖縄県)
2023年度 フレスコボール日本代表
フレスコボールブラジル選手権2023〈OFI Frescobol Circuit〉女子カテゴリ準優勝
スポーツ経験と今
―大久保さんの今までのスポーツ経験を教えてください。
高校はハンドボール、大学は4年間ラクロスを選択し、球技を中心に競技者として活動していました。のちにフレスコボールにも出会うわけですが、学生時代ではスポーツの種類は違っても、「チームとしてやり切る。」ということを大事に、リーダーを務めていました。リーダーといっても統率力というよりは、周りの意見を聞きながらまとめてより良い方向にもっていくタイプでしたね。
―現職ではどのようなことをしていますか?
現在は株式会社凌芸舎にてweb制作関係の企画運用、またフレスコボール協会にて広報周りを担当しています。
競技者としてはフレスコボールを仕事後や土日に練習し、大会に出場しています。
フレスコボールと出会って―
―今では沖縄に移住もされるほど、フレスコボールに魅了されているのですね!
そうですね。フレスコボールと出会って「スポーツ=競技力向上」だけではないことに気づきました。健康的、大事な仲間をつくれるとか、スポーツの多面的な魅力にやっと気づくことができました。
沖縄移住をしたのもその1つ。私のようにフレスコボールで人生が豊かになる人ができればいいなと思って、協会で活動しています。
―そんなフレスコボールはどのような競技でしょうか?
フレスコボールは7mの距離を保って、味方同士でボールを落とさずにラリーをするスポーツです。
ペアが打ちやすいように打つ、早くて強い球を打つなど、ラリーの回数のほかに技術点が評価されます。対戦相手と打つのではなく仲間と打ちあい点数を求めていく部分が競技の特徴ですかね。
(詳細はこちら:https://www.frescoball.org/rule)
―フレスコボールにはどんな特性がありますか?
まずはビーチカルチャーということですね。ブラジル発祥のスポーツということもあり、明るい雰囲気で楽しいことが好きな人が多い印象です。ビーチスポーツの中でも遊び感覚でスタートできることが1つの特性かと思います。選手の中にはテニスやバトミントンをされていた方が多くいらっしゃいますが、ほとんど初めての方で日本代表を目指している方もいます。
また、老若男女問わず幅広い層ができるスポーツなので、自然を感じながら開放的に競技ができています。
仕事とフレスコボールの両立
―フレスコボールで日本代表でありながらお仕事はどのようにされているのでしょうか?
今、凌芸舎では新規事業やディレクションなど多岐にわたってやらせていただいています。フレスコボール協会では、沖縄県と連携した大会や体験会の企画、運営などに携わっています。
―東京ではどのようなお仕事を、またどのような経緯で現在のお仕事に?
東京ではweb関連の仕事をしながらフレスコボールの大会などで協会の手伝いをしていたんです。そのつながりから現在の代表に声をかけてもらい、沖縄でECサイトの運営などを経て今の会社に従事しています。
―仕事とフレスコボールの両立をされる秘訣はどこに?
私は、両立(デュアルキャリア)をするためには時間の使い方がポイントかなと思っています。私は両方に100%力を注げるように、仕事もフレスコボールもその時どきに、「今はこれを1番大事にする」と決めていますね。
正直大変でもありますが、より1つずつを豊かだと感じるようになりました。
―100%を注げない、と思ったことはなかったですか?
ありました!常に両方に100%注げないから諦めてしまおう、と思うのがよくあることだと思うんです。
でもそうじゃなくてもいいと。
常に両方ではなく、その時どきに必要な100%の力を注ぐという、時間の使い方に気づいた時に、そう思えるようになりました。
無理なものは無理だけど、自分が選んだやりたいことなら全力でやったほうがいい。その中でどうやるかを自分で考え抜いて、1つずつ100%でやる!と今は決めています。
スポーツ経験とバランス力
―フレスコボールも含め、スポーツ経験と仕事の共通する点はありますか?
共通するものは『バランス力』だと思います。先ほど話した時間の使い方も、この『バランス力』によって気づくことができました。多分、スポーツ経験から得られた価値は、その場限りなものではなく、人生において長期的な価値になると感じていますね。
―バランス力、そしてスポーツ経験の長期的な価値。それはどこの場面で形成されたと感じていますか?
スポーツって、人生の一部になると思うんです。それを気付かせてくれたのがフレスコボールですね。フレスコボールは歴史が浅い分、教科書的なものがないまま進めていきます。
フレスコボールは仲間と進める競技なので、この方法はできる、この方法はあの人に適性がある、とか自分だけではない、いろんなバランスをとっていきます。
ボールを受け取れる、リリースできるなどの技術的なものだけが「スポーツ経験」と呼ばれるものではなくて、例えば「チームの中で試行錯誤してやり切れた」などのプロセスが経験の価値につながると思っているんです。そしてそれができたのは、バランス力があったからこそだと思っています。
スポーツをやめたからといって、その経験と価値はなくなるものではなく、一生大事にすることのできる内容だと思います。
―競技で培った『バランス力』が仕事に活きているな、と思う場面はありますか?
教育部分でより多く感じます。スポーツは上下関係があったりして、どうやったら伝わるかを1人1人の引き出しと適性を大事にしながら伝えることが必要でした。バランス力は自分のチカラとして根付いているので、自分だけで進めてしまうとかではなく、自分の周りにいるチームの人とバランスを取り、コミュニケーションを取りながら、仕事を円滑に進めることができています。
―逆に仕事の経験が競技に活きている場面はありますか?
今回はあえて協会の広報として競技内容を訴求するという場面をピックアップすると、フレスコボールの魅力を伝えるというときに、いきなり「フレスコボールって楽しいんです!」とか言ってもなかなか伝わらないんですよね。仕事では、人やチームに合わせてしっかり言語化をして、計画を立てているので、そのスキルを活かして自分の伝えたいことをその人に合った形でプレゼンして会話を楽しむようにしています。
そのおかげもあってか、フレスコボールに興味が出て体験してくれる人や、競技の楽しさを理解してくれる人が多くいらっしゃることが、嬉しいです。
―「バランス力」は今後の人生において活きていくのでしょうか?
人生を生き抜く上で、活きてくる部分だと思っています。今後も生きていく中で、色んな人と関わっていきます。その関わった方といい時間を過ごすには「バランス力」が必要だと私は思っています。
バランス力というのはただ均衡を保つだけではなく、時にはバランスを崩す力も含んでいると思っているんです。悪化するように、ではなく、成功や勝利するために、時には軌道修正をしてバランスを再度とっていく事も大事だと思っています。その生きていく力というのをスポーツ経験で得られましたし、これからも活かすべき大事な力だとも思います。
―ちなみに、バランス力以外で今後強化していきたいチカラはありますか?
「本番で自分らしくいる」ということですかね。スポーツでも、仕事でも、プライベートでも、負荷がかかった状態でも、常に自分らしくいられる力を発揮したいと思っています。
日本代表になれた時は、この力がうまく整っていたなと思います。
フレスコボールと自分と会社のこれから
―フレスコボールは、今後どんな風に展開したいと思われていますか?
まず地域クラブを増やしていきたいです。ビーチスポーツですが、実は海以外の体育館や広場、公園等でもできるんです。今はまだ、フレスコボールの地域クラブがない県があるので、ゆくゆくは全国どこに行っても競技ができるようにしていきたいですね。
―大久保さんご自身は、今後のなりたい姿はありますか?
一緒に働きたい、一緒にフレスコボールをしたいと思ってくれるような人になっていきたいと思っています。自分自身が楽しんで、何事もやれるようになっていきたいです。私自身はフレスコボールで日本代表を目指しているので、そちらの目標も達成できるプロセスを踏める人材になっていこうと思っています。
―現在、株式会社凌芸舎の沖縄支社では人材を募集しているそうですね?
現在沖縄は、webデザイナーやマーケターを募集しています。
未経験でももちろん大丈夫です。
受け身ではなく、自分から行動していく方が向いていると思います。
ちょっとチャレンジしてみたいな!と思ってくれる方大歓迎です!
フレスコボールに触れるチャンスもありますよ!
採用情報はこちら▽
https://www.ryogeisya.co.jp/recruit
スポーツの価値は豊かになること
―改めて大久保さんにとって、スポーツの価値とは?
『生活が豊かになることの価値』を感じますね。心も体も健康だということもそうですが、人と接することで自分自身が成長することが多く、そこで感じられる部分が価値になっていると思います。
競技の側面だけだと、やっていると苦しくもなる、なんでこんなに苦しい思いをしなきゃいけないんだ、やめてしまおうかなと思う場面が誰しもあると思います。でもそれも含めて豊かであり価値であると思います。その競技をやっていないと味わうことのできない独自の価値が、競技をしていると感じられますね。その経験自体も価値であり、その経験を経て得たことが、生活を豊かにできる手段のひとつや理由になっていくと感じています。
最後に読者にメッセージ
若年層の時は、スポーツの経験が強みになっていることに、意外と気づけなかったりします。
今自分が当たり前にやっていることは、当たり前じゃないことが沢山あるんです。もし今、価値になることを分かっていなかったとしても、絶対に多方面でスポーツ経験が活きるということは、私自身が体験しているので自信を持って「大丈夫、スポーツ経験は自分の価値になる」といえます。
競技だけではなく、仕事もいっしょに経験していくと必ずわかる場面に出会うことができるはずです。もし、いまわかる状況にいなかったとしても、必ず価値になるといえる日が来ると思います。まずは、いま目の前の事を全力で頑張っていきましょう。
編集後記
フレスコボールに魅了され、ご自身の決断で移住もされた大久保さん。
競技で培った『バランス力』を活かして、仕事も競技も活躍されている秘訣をお伺いすることができました。これからの未来を背負って活躍するであろう読者に対しても、背中を押すような一言は、ご自身の経験を踏まえているからこそ、力強いものを感じます。
フレスコボールがより一層多くの方に知っていただくための活動を、これからも応援しています。
インタビューにご協力いただきありがとうございました。
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