アスリートインタビュー

墨訓熙選手(陸上競技・ハンマー投げ)

小林クリエイト株式会社所属

こんにちは!渡邉ひかるです。
紹介でつながる『アスリートリレーインタビュー』
今回は、前回の小舘充華選手よりご紹介いただいた墨訓熙(すみくにひろ)選手にインタビューさせていただきました!

墨訓熙選手
小林クリエイト株式会社
陸上競技(ハンマー投げ)

プロフィール

柔道を9年経験後、中学から砲丸投げ、高校からハンマー投げへ転向。
その後中京大学の大学院まで通い、2018年から現在の小林クリエイト株式会社に入社されました。

主な戦績

高校
全国高等学校総合体育大会 2位
国民体育大会 優勝
U20日本選手権大会 優勝

大学
3年 学生個人選手権 2位
   全日本インカレ 2位
大学院
2年 学生個人選手権 優勝

社会人
1年目 日本選手権 優勝
自己新記録を今年更新され、絶好調の墨さんです✨

インタビュー

Q:普段のスケジュールを簡単に教えてください。

平日は5日間、8時半から12時まで出勤しています。
練習は大体13時から17時半くらいまでで、土曜日は1日練習を行います。
木・日曜日は練習をお休みにしていますが、木曜日も午前中で帰らせてもらっています。
最初の1~2年は14時までの勤務時間でしたが、競技に集中できるよう配慮していただき、現在のような働き方になっています。

Q:所属している小林クリエイト株式会社について教えてください!

弊社は、創業80年を超える全国展開印刷のメーカーです。国内で初めて「記録紙」の製造・販売をし、現在も国内トップの販売実績があります。印刷事業の他にもBPS事業、システム開発事業、野菜栽培などなど、様々なサービスを行っている会社です。

墨選手の所属先である小林クリエイト株式会社様の詳細はこちらです!
https://k-cr.jp/

Q:会社からの競技面のサポートなどはありますか?

弊社には軟式野球部があり、創立72年になります。野球の選手も私と同じようにデュアルキャリアをしているということもあり、競技と仕事の両立に対してとても理解があります。
野球部以外のスポーツ選手も採用してみようということで、アスナビでマッチングさせていただきました。
コロナが流行し大学へ練習に行けなくなってしまった時には、野球グラウンドの横にハンマー投げの練習場を作ってくださいました。サポートの厚さや気持ちに本当に感謝しています。

Q:野球部の方とも交流はありますか?

はい!同じ部署に野球部のキャプテンがいるので、色々話します。キャプテンにハンマー投げの体験もしてもらいました!笑

会社の方とも、野球部の方とも、仲が良く素敵な関係性ですね😊
軟式野球部や墨選手の紹介ページはこちらです!
https://k-cr.jp/sports_special/

Q:お仕事の内容を教えてください。

入社当初から総務人事部社員課に所属し、名刺の作成や慶弔関係の手配、それらのマニュアル作成などを主にしています。私の配属は、ハンマー投げという個人競技の選手ということで、多くの社員とコミュニケーションをとれる部署がいいのではとご配慮いただいた配属だそうです。他の業務としては、社員さんにハンマー投げについてもっと知ってもらいたいと思い、活動報告や練習風景を掲載する社内ブログを書いています。

Q:実際に仕事で社員のみなさんと交流する機会はありますか?

毎日様々な部署から問い合わせの電話や、訪問があります。その際に、みなさん応援の声をかけてくださいます。地元ということもありとても温かい会社で、すごく嬉しいです。

Q:デュアルキャリアを選んだ理由を教えてください。

ハンマー投げのピークが30歳前後と言われているからです。
大学院までで競技を引退するのは後悔するとは思うものの、30歳までの間仕事をしないのもまた、後悔すると思っていました。
競技だけをする実業団やスポンサーの選択肢ももちろんありましたが、それだと引退するタイミングでハンマー投げしかできない状況になってしまいます。24時間練習をしているわけではないですし、空いた時間で引退後の人生を見据え、社会人としての経験を積みたかったのでデュアルキャリアを選びました。

Q:引退後のキャリアはどのように考えていますか?

引退後も、現在の会社で勤める予定です。また、せっかく練習場を作ってくださったので、次の選手が入ってきてほしいですし、僕が監督になって野球部の創立72年を超えるくらいの名門になったらいいなと思っています。

Q:仕事に対して、どのようなモチベーションを持っていますか?

競技にも共通する部分があるのですが、やはりできることが増えたり、仕事のスピードが早くなったりなどの、成功体験がモチベーションになっています。入社直後は時間が長く感じ、何をすればいいのか分からない状態でしたが、だんだんと1人でもできる仕事が増え、任せてもらえるようになってきました。それから仕事が楽しいと思えるようになりました。
また、社員の方と話す時や廊下ですれ違う時、「応援してるよ!」と声をかけてもらえることが励みになります。最近はブログも始めたので、その内容に触れてくれる方もいます。

デュアルキャリアのメリットの1つとして、新しいコミュニティやファンが増えるということがあると思います。それをモチベーションに変え、力に変えているのですね。

Q:競技に対しては、どのようなモチベーションを持っていますか?

競技の面では、自分の記録を絶対に超えるぞという思いがモチベーションに繋がっています。陸上競技は自分との闘いなので、過去の自分をどう超えるかを常に考えています。ハンマー投げは技術的な要素も大きいので、新しい技術も積極的に取り入れるようにしています。

Q:仕事と競技それぞれで大切にしていることはありますか?

どちらも楽しむことです。仕事も競技も、楽しくなかったら続けられないですし、楽しいことであれば目標もより高く、より質のよいものにしようとこだわれると思います。仕事も競技も奥が深いです。「好きこそものの上手なれ」ですね!

Q:今年自己ベストを更新したそうですね。おめでとうございます!ご自身でなにか変えた部分はありますか?

コツコツやってきたこともありますが、大きく変えたのはトレーナーを付けたことです。大学からずっと独学でメニューを立ててトレーニングをしてきましたが、トレーナーさんにお願いすることでピーキングやトレーニングの専門知識など、自分だけではわからないことがどんどん出てきてすごく勉強になりました。そこから人に頼ることって大切だなと気づくこともできました。

Q:デュアルキャリアで競技結果を出すために大切にしていることはありますか?

時間の管理と、人に頼れるところは頼ることです。
特に人に頼る点では、私は個人競技の陸上を長く続けてきたため、問題に直面すると「自分でなんとかしないと」と考えてしまい、結果としてうまくいかなかった経験があります。その経験をしてからは先輩や同僚に分からない箇所を聞いき、問題を一人で抱え込まないようにしています。やはりそういったコミュニケーションをとることは大切ですね。

Q:現在感じている課題はありますか?

アスリートにしかできない仕事があるのではないかと思うことはあります。現在は一般の社員の方と同様の仕事をしていますが、地域貢献のような形でハンマー投げの教室を開いたり、SNSをうまく活用したり、アスリートとしてなにかできるのではないかと日々考えています。今まで自分がしてきた経験を世の中に伝えないのはもったいないなと思います。

Q:最後に今後の目標を教えてください!

やはり自分の限界を超えたいです。
現在の日本記録は室伏広治さん(84m86)、歴代2位は室伏重信さん(75m96)ですので、室伏親子の間に入りたいと思っています!笑
あとは、日本代表に選ばれたいです。世界陸上など大きな大会で日の丸をつけたいですね。
社会人としては、一人前になりたいです。勤務時間でいうと一般社員の半分ほどしか働いていませんが、時間以上のたくさんの経験を積んで、少しでも他の社員さんに追いつけるように頑張っていきたいです。

取材後記

今回は小林クリエイト株式会社の墨訓熙選手にお話を伺いました。
競技の特性やピークの年齢などから逆算してキャリアを見据え、デュアルキャリアを選択したという素晴らしい選手でした。また、社内外で頻繁にコミュニケーションをとられ、自分の考えだけでなく、周りに頼ることで仕事でも競技でも成長していくというお話がとても印象的でした。今後の墨さんの活躍が楽しみです!
取材にご協力いただきありがとうございました!

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