すごいぞ、アスリート

所杏子選手(陸上競技・棒高跳)

株式会社ボディワーク(ラフィネ)所属

こんにちは!渡邉ひかるです。
紹介でつながる『アスリートリレーインタビュー』
今回は、前回の中山昂平選手よりご紹介いただいた所杏子選手にインタビューさせていただきました!
社会人になってからもベストを更新し続けている、所選手の素敵なお話をお届けします。
今回は所選手の所属先株式会社ボディワークホールディングス 広報課照井さんにもお話をお伺いしました。

目次

所杏子選手
株式会社ボディワーク(ラフィネ)所属
陸上競技(棒高跳)

プロフィール

愛知県出身。現在は愛知県の店舗でセラピストとして勤務をしながら、中京大学にて練習を行っている所選手。
元々大学卒業後に競技を続けるつもりはなく、一般就活にて株式会社ボディワーク(以下ラフィネ)に新卒入社。2年目よりラフィネのセラピストアスリートとして活動をスタート現在は配属5年目になるそうです。

主な戦績

自己ベスト4m
大学4年
学生個人選手権 7位
全日本インカレ 出場
社会人3年目
日本選手権 7位 自己ベスト更新!
全日本実業団 5位
社会人4年目
日本選手権 6位
全日本実業団 2位
その他グランプリ、地区選手権など多数入賞

セラピストのお仕事について

Q:普段のスケジュール・仕事内容を教えてください。

週3日11時~21時、週2日15時~21時の勤務をしています。練習は15時出勤の日の午前とその他空き時間に行っています。セラピストという仕事ですので、大会のない日は土日どちらか必ず出勤しています。また、お客様に指名を頂く制度もありますので、お客様がご希望の日程によっては大会や遠征がない限り、土日どちらも出勤するようにしています。
仕事の内容はリラクゼーションセラピストというお仕事です。ラフィネの接客・施術の特徴として、会話を大切にしながらお客様の日々のストレスのケアをしています。施術の種類としてはボディケア(全身のもみほぐし)と、リフレクソロジー(足裏)を中心に、その他ヘッドセラピーやストレッチなど、お客様の悩みや希望に応じた多彩な施術を提供しています。

Q:このお仕事を選んだ理由を教えてください。

元々競技を続けるためにこの仕事を選んだのではなく、スポーツトレーナーなどの仕事に興味があり、ラフィネであればゼロから研修を受けることができることに魅力を感じ、ここで働くことを決めました。1年目はセラピストとして働きながら空いている時間で練習し、大会には大学のOBが作ったクラブチームに所属して出場していました。その大会を社員の方がたまたま観戦しており、ラフィネで競技をやらないか?という提案をいただき、その次の年から「セラピストアスリート」という形で働き始めました。

Q:広報課の照井さんにお伺いします。所選手のお仕事の様子を教えてください。

照井さん店舗の入っているショッピングセンターの接客コンテストへの出場や研修への積極的な参加、お店のリーダー(店長)を担いながら競技との両立を頑張ってくれています。

Q:所選手のような方は他にもいらっしゃるのでしょうか?

元々ラフィネは長距離の実業団チームを持っていたのですが、2022年1月末をもって惜しまれつつ休部に。ただ会社としては引き続きスポーツ支援に力を入れたいという考えがあった中、所選手が目立った成績を出しながら個人で活動をしていたことをきっかけに、2022年から本格的に所選手のようなセラピストアスリート採用がスタートしました。選手としても会社としても、セラピストをしながらスポーツをする“デュアルキャリア”の働き方をすることによって、長く選手生命を確保できたり、両立による相乗効果があったりといった部分に大きな魅力を感じています。セラピストアスリートは今年度から2名増え、所選手を含めて3名になります。

所選手をはじめ、他のセラピストアスリートの活躍も楽しみですね!
ラフィネのセラピストアスリートのページはこちら!
https://www.bodywork-holdings.co.jp/activity/athlete
株式会社ボディワークホールディングスでは新卒採用も行なっているのでHPをご確認ください!

デュアルキャリアをする理由

ここからは所選手に、デュアルキャリアについていくつか伺いました。

Q:デュアルキャリアを選択した理由を教えてください。

大学生の時には目立った実績は無く、特別な資格も取得していなかった中で、まだ競技を続けたいというのはわがままだと思いましたし、怪我もあり「もう引退してもいいかな」と考えていました。
そんな中でもやはり煮え切らない気持ちがあり、競技を継続するのであれば、両親に頼らずしっかりと自立した状態で続けようと思いデュアルキャリアを選択しました。両親からは「大学院に進んで(陸上を)続けてもいいよ」と言ってもらったのですが、競技費用や遠征費は自分で稼いだお金でやってくと決めて、就職をして競技継続をする道を選択しました。

Q:「煮え切らない気持ち」について具体的に教えてください。

大学生の一番大きい大会である全日本インカレであと一歩入賞に届かず、出場だけに終わってしまいました。現在も指導していただいているコーチから試合後に「(インカレで)入賞させてあげられなかった」と言っていただいたときに、コーチが責任を感じてくださっていたことを知り、『恩返しできないまま競技を終えてしまって良いのか?』と煮え切らない気持ちが湧きました。この出来事がきっかけで、支えてくれた方々に恩返しをするために、競技で結果を残したいと思うようになりました。

Q:競技に対してはどのようなモチベーションを持っていますか?

今までたくさん悔しい思いをしてきたので、結果を残したいという思いが強いです。ここ2年で大きな試合で表彰台に乗れるようになってきたので、もっともっと上を目指したいとより思うようになりました。

Q:自己ベストの記録(4m)を出したのは社会人になってからですよね!工夫したことなどはありますか?

大学時代は3m50cmの記録で入学し、4年間かけて3m70cmまで伸ばすことができました。そこから社会人になって働きながら4mまで伸ばすことができたのは、自分でもすごく頑張ったなと思います!
学生時代は周りと自分を比べてしまっていました。中京大学には全国から強い選手が集まる大学なので「自分は強くない」「自分にはできない」という感情が多かったです。しかし社会人になってからは、「仕事をしながら競技をしていているだけでも大変なのに、結果も残していてすごいね!」とお客様やスタッフの皆さんから温かい言葉をかけてもらえるようになり、自己肯定感がすごく上がりました!自分の気持ちが盛り上がるのももちろんですが、自分のためだけではなく楽しみにしてくれている方がたくさんおり、「1人じゃないんだ」と試合で頭に浮かぶようになりました。それが私の力になっていると思います。

Q:お客様や社員の方とも競技の話をよくするのでしょうか?

皆さんすごく興味を持ってくれています!女子の棒高跳のWikipediaに歴代記録が掲載されており、4m20cmを超えると歴代10位の記録になるので、それを見て「じゃあ所さんはあと20cmでWikipedia載るんですか!?」など聞いてきてくれる方もいました(笑)。 じゃあそこを目標にしてみようかな、と励みになり頑張っています。

Q:一方で仕事に対してはどのようなモチベーションを持っていますか?

先ほど話があった社内研修や接客コンテスト、イベントなどにも積極的に参加しています。それは、自分が学んだり技術を身に付けたりした分だけ、お客様により多く還元できますし、お客様にとにかく感謝の気持ちを伝えたいというのが一番のモチベーションです。その気持ちを自分の成長にも役立てています。

所さんは施設内の接客コンテストでも昨年3位に!仕事でも素晴らしい成績をおさめていますね。

Q:デュアルキャリアだからこその悩みや葛藤はありますか?

仕事も競技も好きなことなので、競技の練習もしたいし仕事のスキル向上の研修やイベントにも参加したいです。しかし、自分がそういったものに出ていけばいくほど、お客様の施術時間が短くなってしまい予約枠も少なくなってしまいます。自分が2人いたらいいのにとよく思います。
ただ、お客様に理解してもらうために、前々から口頭でお伝えしたり、最近ではInstagramなどでも発信したりして理解をしてもらい、少しずつですが葛藤を埋めています。

Q:デュアルキャリアをする上での悩みのひとつ、『時間管理』で意識していることはありますか?

私は、完全休養日(仕事も競技も休みの日)はほとんどないです。でもそれが一生続くわけではないですし、本当にやりたいことを優先するために他のことが犠牲になってしまうのは仕方ないかなと考えています。好きなことをやらせてもらっているので、それで忙しくなるのは嬉しいことかなと私は思います。発想の転換ですね!

大切にしている事

Q:競技において大切にしていることはありますか?

応援される選手になりたいと思っています。中山さんの記事(https://athlete-career.mynavi.jp/athlete-career-plus/article/nabelog_24/)も読ませていただいて、すごく共感しましたし共通点が多かったです。お客様やスタッフに実際に大会に来てもらったこともあり、本当にありがたいし自分のしてきたことは無駄じゃなかったなと改めて感じ力になりました。これからも応援される選手ってどんな選手だろうと考えながら、競技をしていきたいと思います。

Q:仕事において大切にしていることはありますか?

仕事も競技と一緒だなと思います。競技でも努力、経験した分だけ身になり自信に繋がったので、仕事でもイベントや研修に積極的に参加しています。「どこにそんな時間と体力があるの?」と言われるくらい参加しています!笑 こうやって、競技で得た考え方は仕事にも充分活かせているなと感じています。

Q:デュアルキャリアで結果を残すために大事にしていること

気持ちです!自分一人でやっているわけではないし、結果を心待ちにしてくれている人がたくさんいます。例えば練習がしんどいときや仕事が忙しいときはそんな人たちを思ってパワーに変えています。

Q:現在直面している課題・壁はありますか?

今は無いです!むしろ今までが壁ばかりだったので、今はやりたいことがやれていて毎日成長したいと思えています。

Q:ちなみに、今までの壁はどのようなものでしたか?

競技ではずっと思うように結果が出ず、怪我をしていたり自分でプレッシャーをかけすぎていたりして、心から競技を楽しめていなかったです。今は気持ちが変わって、楽しくやらせてもらっています。
仕事ではやはり初めてのことばかりで何事も大変でした。これくらいできるだろうと思っていたこともなかなかできないという部分もありました。今はそんな自分のプライドが砕けて謙虚になり、成長に前向きになれています。

所選手の意気込み

Q:最後に所選手の今後の目標を教えてください!

2つあります。
1つ目は日本記録を出し「日本記録保持者のセラピスト」を名乗ることです!まずは4m20cmを出して「Wikipediaに載ってるセラピストです」って言いたいですね!笑
もう1つは日本一をとることです!昨年全国大会で2位になれましたが、勝ち切れなかったという悔しさがありました。自分らしいなと思うと共にせっかくなら日本一になりたいなと思えるようになったので、そこを目指したいです。
仕事での目標は、セラピストアスリートとしての仕事をしっかりとしていきたいなと思います。ラフィネの広告塔として常に自分が見られているという意識をしながら仕事も競技も励んでいきたいです。

まとめ(取材後記)

今回は株式会社ボディワークの所杏子選手にインタビューさせていただきました。明るい所選手のハツラツとしたパワーの源は、日々接しているお客様やスタッフの方、コーチなどの存在があるからだなと感じました。「日本記録保持者のセラピスト」という、めちゃくちゃかっこいい目標、私も応援しています!
取材にご協力いただきありがとうございました!

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