アスリートインタビュー

矢来舞香選手(陸上競技・競歩)

株式会社千葉興業銀行所属

こんにちは!渡邉ひかるです。
紹介でつながる『アスリートリレーインタビュー』
今回は、前回の福永凌太選手よりご紹介いただいた矢来舞香選手にインタビューしました!

矢来舞香選手
株式会社千葉興業銀行所属
陸上競技・競歩

プロフィール

中学から陸上競技を始め、高校1年生時から現在の競技である競歩を始める。高校生当時は長距離と競歩を並行して行い、大学入学と同時に種目を絞って競技に専念するようになった。
一般就職枠で株式会社千葉興業銀行より内定をいただき、入社後はアスリート社員として勤務。現在も仕事と競技を両立するデュアルキャリアで勤務をしている。

※デュアルキャリアとは?
https://athlete-career.mynavi.jp/dualcareer/

主な成績

国際大会
高校2年生 世界ユース 10位
高校3年生 世界競歩チーム選手権 出場
大学2年生 世界競歩チーム選手権 出場
社会人3年目  アジア大会 団体2位

国内の大会
高校3年生 全国高等学校総合体育大会 3位
大学3年生 日本学生陸上競技対校選手権大会 優勝
大学4年生 日本陸上競技選手権大会 8位
社会人1年目 日本陸上競技選手権大会 5位
社会人2年目 日本陸上競技選手権大会 6位

普段のスケジュールやキャリア選択について

普段のスケジュール・仕事内容を教えてください。

出勤については、平日5日間の勤務・2日間の休暇です。朝練習の後、ポイント練習を行う日は8時35分~12時までの勤務、その他は8時35分~14時半の勤務、その後午後練習を行っているという形です。


仕事内容を教えてください。

新入行員への新人研修や、その他行員に実施する研修の業務を主に行っています。上司や先輩にサポートしてもらいながら、業務を行っています。


株式会社千葉興業銀行に入社した理由を教えてください。

1番のきっかけは、先輩に声をかけていただいたことです。
学生の頃に競歩の合同合宿でたまたま千葉興業銀行に所属する方(現在の先輩)と練習をし、その時に「一緒にやらない?」と声をかけてくださいました。
ただ、千葉興業銀行ではアスリート採用が無く、一般社員と同じ選考で合格したら時短等の配慮をいただけるとのことで、私も一般採用枠で千葉興業銀行の採用試験を受けました。
入社を決めたきっかけは、会社の雰囲気が自分に合っていると思ったからです。インターンシップに参加した際に行員の方がとても優しく接してくださり、「競技をやるから」というだけでなく、「この会社で働きたいな」と感じたため入社を決めました。


アスリート採用の無い中で、不安はありませんでしたか?

先輩から色々と聞いていたこともありますが、高校から大学へ進学した際もその場の環境に自分が順応することで結果を出してきました。社会人になっても、どんな環境でも自分がやろうと思えば出来ると考えていたので、不安はありませんでした。入社することでどんな利点(プラス要因)があるかを主に考えていましたね。

短い競技人生、セカンドキャリアを見据えた「デュアルキャリア」



デュアルキャリアを選択した理由を教えてください。

引退後のセカンドキャリアのことを考えていたからです。元々競歩という競技は実業団チームが多くないですし、人生において競技をしている時間の方が短いので、社会人としての経験も早く積んで学びたいという思いから、デュアルキャリアを選びました。


デュアルキャリアをしていて良かったと思うことはありますか?

視野が広がったのはとても良かったと思います。新入行員の研修や先輩方との会話の中で、色々な考え方があると知ることができましたし、仕事を競技に、競技を仕事に活かせる部分も多いなと思います。


具体的に、どんなことに活かせていますか?

仕事面では、競歩は長距離種目なので、最後までやり抜く粘り強さは活かせていると思います。仕事でも「ここまででいいや」と妥協することなく行うことが出来ています。
また、問題解決をする力もどちらにも共通する大切なことだと思います。自分で計画を立てて一つずつクリアしていくことの大切さを社会人になってより感じています。


仕事に対して、どのようなモチベーションを持っていますか?

今は研修の講師として登壇することを目標に、業務を行っています。先輩方を見て色々なことを学ばせていただいています。知識が増えていくのがすごく楽しいです。


競技に対してはどのようなモチベーションを持っていますか?

世界大会出場をモチベーションに日々競技に取り組んでいます。応援やサポートをしてくださっている会社の皆さんのためにも、出場したいです!

「なぜやるのか」を常に考える

仕事と競技、それぞれで大切にしていることはありますか?

仕事に関しては、時短勤務をさせていただいている中で、「半日しかいないから○○なんだ」と(マイナスに)思われないような仕事をしたいなと思っています。目標を持ち、言い訳をしないように出来る事を精一杯行っています。
競技に関しては、諦めずにやり切ることを大切にしています。達成感や嬉しかった時のことを思い出しながら、目標を常に頭に入れて練習を行っています。
また、なにか選択に迷った時には、いやだなと思う方を選ぶようにしています。簡単な方や楽な方を選ぶと後から後悔すると思うので、例えばインターバルメニューをするときに、自分にとって苦手な距離(4000mや5000m)、きついな、と思う方を選ぶなど、後悔しない選択をしています。


仕事中の矢来さん

デュアルキャリアをしていて、大変だなと感じる部分はありますか?

もちろんきついなーと思うことはありますし、やりたくないなと思うこともありますが、実際に一歩踏み出してみると仕事は知識が増えて学ぶことが楽しいですし、競技もやっていてよかったなと思えます。タイムが伸びない時期もきついですが、大学4年生のシーズンにプレッシャーを感じ苦しい経験をたくさんしたので、「その時期に比べたら」と考えて乗り越えています。


デュアルキャリアで結果を残すために大事にしていることはありますか?

練習をしている時に、「なぜこの練習をしているか」を自問自答するようにしています。大会等で苦しくなった時に、「あの練習ができたんだから今日もできる」と思えるように練習しています。
体が疲れている時の動かし方や、次の試合のために今動かすと楽になる、などを練習ごとに考えるようにしています。


最後に矢来選手の今後の目標を教えてください!

仕事では、自発的に行動できるよう心掛けたいと思っています。その結果、誰かのプラスになる仕事ができればと思います。
競技では、世界大会出場が一番の目標です。選考にあたる試合で結果を出せるよう頑張ります。

まとめ(取材後記)

今回は株式会社千葉興業銀行所属の矢来舞香選手にインタビューさせていただきました。長い目でキャリアを考えたときに、競技ができる時間は短いです。セカンドキャリアを見据えたキャリアの選択や引退後の準備は、回りまわって今の競技に思い切り打ち込む環境を作り出すのかもしれません。
矢来選手の仕事でのスキル向上のための取り組み方やマインドセットの方法は、デュアルキャリアで成功する上で大切なものばかりですね。仕事でも競技でも、「何のためにするのか」を常に考え、高い向上心で成長し続ける素晴らしい選手だなと感じました。
インタビューありがとうございました!今後のご活躍も応援しています!

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