すごいぞ、アスリート

サッカーの経験を活かし続けられる環境がある毎日

<入社後インタビュー/元なでしこリーガー・株式会社タミヤホーム 井指楓さん>

競技を引退し、セカンドキャリアとして歩む人材がどのように活躍しているのか?」
アスリートは実際に競技を引退してからどのようなにキャリアを歩み活躍しているのか、またスポーツの経験はどのように活きているのか。この記事では今回は株式会社タミヤホームで営業職として活躍する井指さんへインタビュー。自身が引退してから変わったこと、揺るがないこと、スポーツの経験の価値など語っていただきました。
入社前の内定者インタビューはこちら ▽
https://athlete-career.mynavi.jp/athlete-career-plus/article/soccer_i_20230830/


サッカーのキャリアから一転。今の仕事を“自分のモノ”ものにするまで―



―今はどんなお仕事をされているのか教えていただけますか?
 法人先をメインに営業活動しています。
働き方も自由度が高く、いろんなやり方がありますが、私は基本的に法人にお電話でアポイントを取ったり、訪問させていただいたりしています。
また、実は解体業界にも引っ越し業者のような相見積もりサイトがあり、そこからのお問合せをいただき対応することもあります。問い合わせは個人の方からのご相談もあり、その際は個人の方のご対応をさせていただくともあります。
 
―働き方はそれぞれ任されているんですね。
 そうですね、みんなそれぞれのスタイルで仕事をしていて、休暇制度ももちろんあります。
営業職ということもあり、やればやるだけ自分に返ってくる環境なので、効率よく楽しく働けています。
  
―なるほど。効率よくお仕事をされているとのことですが、どのようにその知識を蓄えたのでしょうか?
 今はしっかりとした研修がありますが、私が入社した時はなかったので当時の上司の背中を見て育ちました。
多くの社員は約1~2カ月で独り立ちをしますが、私はサッカーを引退してから初めて社会人になっていることもあり、独り立ちに不安を多く感じていました。
そのため、上司にお願いしてさらに1カ月延長し、先輩の同行など積極的にさせてもらいました。
 
―研修を伸ばすことに焦りや不安はありませんでしたか?
 ありました。ただ同行している間、全て丁寧に教えてもらっていましたので、研修を終えた4カ月目からは、研修で得た知識が自分のものになり、しっかり成果として返ってきました。上司は自分の時間を割いて教えてくれていたので、上司にもその環境にも感謝しています。


 

入社から半年たった今、思うこと

―入社から変わったなと思うことはありますか?
 変わったことは正直あまりないんです。でも自分が思っていたより「サッカー選手」という肩書は武器になるんだと実感しています。サッカーの繋がりから仕事になることもあるので、私が1番望んでいた形で今働けているなと思います。
 
―「サッカー選手の経歴が武器になる」のは自分自身でお気付きになりましたか?
そもそも、今はサッカーの世界じゃないので、知らない方にサッカーをどうアピールしたらいいのか、わかっていませんでした。その時、「もっと井指らしさを!」とアドバイスしてくれたのは田宮社長です。
社長は1人1人の営業に話しかけていて、社長室にいることはほぼありません。気づいたら隣に座っていて、相談に乗ってくれるんです。みんなを気にかけてくれていますね。
 

ポジティブ思考が今の自分の基盤

―当時、セカンドキャリアの選択に不安はありましたか?
 実はあまりなかったんです。私は自他ともに認めるポジティブ思考を持っていて、大丈夫だろうと思っていました。これは確実にサッカー時代に培ってきた思考だと思います。
 
―ポジティブ思考!サッカーのどのような場面で培ってきましたか?
 サッカー選手だからということもありますが、ポジションも大きく関係している気がします。私はキーパーというポジションで、そのポジションは常にポジティブでいる必要があると思っています。仮に開始1分で失点しても、残りの89分は落ち込んでいられない。後ろからチームを鼓舞して、気持ちを引き上げる必要がありました。そうなるともう、ポジティブでいることが当たり前になって、わざわざポジティブでいよう!と思わなくなるんですよね。
 
―ポジティブが当たり前だったのですね。その思考が今の仕事に活かされていますか?
 先ほど話した通り、ポジティブでいなきゃいけない!という感覚もないので、そのときの感覚で働けていると思います。
例えば、企業訪問や電話でのアポイントでも、だめだったところはしっかり反省して次に活かそう!と、特段落ち込まず、次のアクションに繋げられますね。
 
―周りから「どうしてそんなにポジティブなの?」と聞かれませんか?
 聞かれることもありますがタミヤホーム自体、ポジティブな人が多いですね。
元アスリートが多く、その傾向なんでしょうか(笑)。
"解体”と聞くと、業種柄ネガティブなイメージを持つ方が多いと思いますが、そのネガティブなイメージすらも真摯に受け止め、対応できるメンバーばかり在籍しています。
なので、自分自身も刺激を受けながら毎日を過ごすことができています。



仕事の場面で活きるスポーツ経験

―ポジティブ思考以外で他にもスポーツ経験が活きていると感じる点はありますか?
 社長に言われるのは「高周波」。モチベーションがずっと高いということだそうです。
モチベーションを高く保ち続けることは1番大事だと思っていて、これはスポーツ経験が活きているのだと思います。
どのスポーツ、ポジションもそうだと思いますが、練習は本当にきついです。毎日の練習がきつすぎて、正直行くのが嫌になったこともあります。些細なことでも「これが終わったらおいしいもの食べよう」とか決めて、モチベーションが上がるような工夫をしていました。それは今も同じで、大きな目標ではなく、まずは努力したら絶対にクリアできる目標を立てて必ず達成する、というサイクルを繰り返すようにしています。
 
―モチベーションは波があり、保ち続けるのは難しいと思います。コツなどはありますか?
 自分にとって何がモチベートになるか知ることから始まると思います。選手の頃から目標設定は結構ミニマムにしていくタイプ。大学時代も自分との約束ノートをつくって、少しずつクリアしていました。例えば、特訓メニューを1か月分作成し、やったことをどんどん削除していくんです。今でも、業務に優先順位をつけるという意味も込めて、todoノートを作成し、終わったことをどんどん削除しています。達成感もあり、モチベーションが保てていると思います。こだわりというか癖かもしれないですね。
 

田宮社長に期待される1人として名前が挙がったことは不思議だった

―アスリートキャリアを通してタミヤホームに入社し、約半年。田宮社長から「未来を背負っている期待の新人」として名前が上がりましたが、由縁はどこにあると感じますか?

 正直、言われたときは「わたし!?」と驚きが大きかったです。ただ、大きな成果を残しているとかではなく、毎日の行動と積み重ねかなと感じています。「見てくれている人はちゃんと見ている」というのが社長なのだと思います。沢山褒めていただいて、期待もしていただいている。アスリートのときは期待してもらうのが当たり前で、それに慣れている自分もいます。だからこそ、その期待をプレッシャーと感じすぎず、自分ができることをあたり前に積み重ねていくだけだと思っています。そこはスポーツ経験から得た強みだと感じますね。自分らしくやることが何よりも大事です。

 

―自分らしく、着実に積み重ねていく事。どんな効果が生まれていますか?
 これは自分でも誇れることですが、クレームが1件もないんです。
今の仕事は開拓数を多くすることも、リピート率を上げることも必要で、どちらもあげるためには準備を徹底して問題なく業務を行うことが必要だと思っています。キーパーと同じく「ピンチの芽を摘む」ことを意識しています。実はキーパーって、ピンチにならないように事前準備をしてリスクマネジメントをするんです。解体業は解体してしまったらもとには戻せないので、事前準備を徹底的に行います。効率悪いやり方かもしれませんが、解体に対して不安を感じる近隣の方には、安心して頂けるまで足を運び、しっかりお話をさせていただくことによって、仲良くなったりもします。自分のスタイルは大事にしていきたいですね。


スポーツの価値への気づき

 ―今セカンドキャリアを歩む井指さんだからこそわかる、スポーツ経験の価値とは?
 いろんなものが価値と呼べると思いますが、自分自身だけではなく周りの人を喜ばせられる、感動を与えてけるのが、価値かなと思います。ファンや観客、多くの皆さんに見ていただく機会が増えるほど、感動や喜びを与えることができ、その人自身の原動力になれることが価値だと思っています。
 
―井指さんがその価値に気づいたのはどのタイミングでしたか?
 私は引退してから海外に行ったことが転機になり、価値に気づけました。サッカー選手だったことが誇らしく思い、サッカー以外でも活躍できるのではないか、という自信をつけて帰ってくることができました。海外に行かなければ、サッカーをやるしかないと決めつけていたかもしれない。サッカー経験が武器になっていて活かしていきたい、それを日本で発揮したいと思うターニングポイントが海外だったんです。
 
―価値に気づき、スポーツ経験があるからこそ今も変わらないものは何でしょうか。
 自己肯定感を下げないことですね。自分が自分を疑うことが1番悲しいですし、ちゃんと自分を認めてあげることを、大事にしています。何事も人と比べられてしまうけど、人の事は気にせず勝つまでやるしかない、というところは揺らがないです。目先の事に一喜一憂しなくていい、必ず成果がでる行動をしているから、と信じることで、自分の自己肯定感を下げることもなく安定して仕事に向き合うことができます。
 

セカンドキャリアの今だからこそ伝えたいこと

―スポーツ経験者でキャリアについて悩む方が多い今、伝えたいことはありますか?
 これからキャリアに悩む人もでてくると思います。でも思っている以上に、本当に選択肢は多いです。スポーツ経験は一生の武器になります。そのことに気づけたら、きっと自信がついて最強になれると思っています。スポーツしかやっていない、学歴がない、なんて思うかもしれないけど、スポーツを通じて、スポーツでしか得られない体験をしていたことに気付いてほしいです。また、自分自身できっかけを作って、自分の言葉でスポーツ経験を「言語化」できる「転換力」が大事になってくると思います。私自身、活躍することが当たり前の人材になりたいと思っています。
怖がらず将来を考え、一歩踏み出して輝き続ける人がこれから増え続けていってほしいと思っています。


取材後記

スポーツ選手時代に築き上げた、ポジティブ思考と自己肯定力を向上するチカラをもった井指さん。
当たり前にそのチカラを仕事に転換し飛躍的に活躍されている井指さんは、これから株式会社タミヤホームでより期待される人材になると強く感じることができたインタビューでした。

株式会社タミヤホーム
https://www.tamiya-home-kaitai.com/


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