すごいぞ、アスリート

「‐考える力‐」バスケ人生を通して得た思考力

TOKYO DIME女子 小原みなみ

今回の《すごいぞ、アスリート》は、
弊社とパートナー契約を結んでいる【TOKYO DIME】で活躍する、小原さんにインタビュー。

TOKYO DIME女子のキャプテンである小原さんは、自身のスポーツ経験をどのように活かして今、キャプテンとしてチームを牽引して活躍しているのかたっぷり伺いました。

「考えること」に重きを置いた練習に励む学生時代

―バスケを始めたきっかけを教えてください。

バスケは小学4年生の時に出会いました。
元々運動が得意で、休み時間はよくドッヂボールをやって過ごしていたのですが、その様子を見たミニバスのコーチにスカウトされたのがきっかけです。体験会に参加したらもう楽しくて仕方なくてすっかりバスケの沼にハマっていました(笑)中学・高校も自らの意思で強豪校に進学し、大学に至るまでずっとバスケと人生を歩んできました。

―そうなんですね。中学生の頃から強豪校への入学を視野に入れていたのですね。

ミニバスの先輩たちも同じ強豪校に通っている人が多かったですし、自分自身も強豪校と言われる環境下でレベルの高いバスケをしていきたいと思っていました。私を育ててくれた中学に関しては、県選抜の監督が自分たちのチームの指導者だったこともありハイレベルな練習メニューを組んでいただいていました。

―具体的にどんな練習メニューでしたか?

もちろん、メインは技術面に重きを置いた練習でしたが、それに付随してポジティブな考え方で練習に取り組むように意識したり、なりたい自分を実現するための目標を設定して達成するにはどうアクションを起こすのが最善か考えるメンタル面を鍛えるトレーニングも行っていました。技術面と精神面で相乗効果を持たせられるような練習をしていたと思います。
高校では「常にどうしていくことが最善か考えて行動する」ということを指導されていました。「この練習は何のためにやるのか」「上手くいかなかったら次どうするか」などを当時はすごく追及しながら練習していましたね。約30名ほどのチームだったのですが、公立高校だったので他の部活動との関係で場所に制限があり、コートは半面しか使えないなど練習環境が限られていました。そういった制限がある環境下にある中でも、チームとして日本一を目指す目標はあったので、その目標を達成するに自分は どの力を伸ばすための練習をすべきなのか、弱点と向き合い自分で考えて実践することを、大事にしていました

―中学高校での練習経験が今の小原さんを形作っているのですね。

そうですね。あの頃の経験は今のプレーヤーとしての自分もそうですし、キャプテンを務める上でも仕事でもとても活かせていると実感しています。今の自分を形成する上で欠かせない経験要素のひとつです。

キャプテンから見たTOKYO DIME女子

―TOKYO DIME女子に入ることになったきっかけを教えてください。

大学までバスケは続けていたものの、卒業したタイミングで競技とは距離を置いていました。ふとしたタイミングで友人に誘われて5人制バスケを再開し4年ほど経ったタイミングで3x3の存在を知ったんですよね。実際にプレーをしたら本当に面白くて。思い切って同じ想いを持った友達や知り合いを集めて大会に参加してみたんです。実際に大会に出てみてやっぱり楽しい!ってなりましたし、そこから段々『やるからにはもっと本格的にやりたい』と思うようになって。そう思っていた時期に、丁度DIMEの練習ゲームに参加させてもらったりもしていたんですよね。当時元Wリーガーの方々も所属しているチームでしたし、自分もこのハイレベルな環境で3x3をやっていきたいと思って加入する決断に至りました。

―TOKYO DIME女子への加入前後でチームへの印象は結構変わりましたか?

実は加入前に何度か試合はさせてもらっていて、ギャップはそんなに大きく感じなかったですね。チーム全体としてコミュニケーションがきちんととれている印象が強かったです。プレーにおけるスピードやパワーというよりも、「コンビネーションやチームプレーを極める」ということに重きを置いているチームだと思います。監督がいないので、プレーヤー同士の考えの共有はとても大事ですし、その大事なことを常日頃からきちんとできるチームだと思っています。

―考えの共有はチーム内の関係構築やプレーに繋がってくるので大切ですよね。
小原さんがTOKYO DIME女子に所属していて感じるプレーヤーとしての大事な要素は何かありますか?

自分で考えて行動できているか、発信できているかは自己表現・自己実現の面でプレーヤーとしてのパフォーマンスにかなり大きく影響してくると思います。3人制は5人制よりもシンプルに人数が少ない分、個人としての色が目立ちやすいです。チームでプレーするので、チーム単位で考えた動きをすることも大事ですが、個としてどれだけ考えて行動できているかはより重要なポイントだと思います。

―「個として考えて動けているかどうか」は、具体的にどういった場面に出てきますか?

プレー中は勿論ですが、最近私が怪我の治療の関係でコートの外から見ていることが多いので、プレー外の言動からもそういった節は受け取れると感じています。
例えば練習前の時間やフリー練習での動きですね。現状チームとしては個々のスキルが足りていないので、各々の技術向上のためのフリー練習の時間を増やしました。それぞれの動きを見ていると、自身を分析して、どこを強化したくて練習しているかが分かるんです。考えている人ほど練習内容が濃いので、個の考えと動きが伴っているなと感じます。

―そういった個の考えと行動はチーム全体のモチベーションが保てていないと実現が難しいかと思うのですが、
チーム全体の共通認識として意識していることは何かありますか?

これがとてもタイムリーなんですけど、直近でチーム全員が同じ方向を向けているかどうかという課題が挙がっていたんです。
そのタイミングでマイナビさんの研修を受けさせていただける機会があって。若手向けの内容でしたが、若手以外のメンバーも 、後日改めてワークに取り組んでみたんです。メンバーと一緒に、目指す方向性や達成に向けたイメージの確認でき、お互いが意識を高められるいい機会になったと思っています。

―素敵ですね。TOKYO DIME女子のチームとしての良さを感じます。今後、どのようにチームを展開していきたいと考えていますか?

今、チームとして掲げている目標と個人の意識の乖離が少なくなってきていますし、フリー練習を通して個人のスキルも少しずつ上がってきていて、更にいい状況だと思っています。ここからはチームプレーとしての技術を上げていくために、いかに質の高い練習を重ねていけるかが課題になると思います。一人一人がTOKYO DIME女子の一員であるということを自覚し、チーム内で切磋琢磨できるような、良い意味でのライバル意識は個人個人が持てるようになっていけるといいですね。


仕事と競技が相互作用でモチベーションに‐デュアルキャリアとしての自分‐

―現在、小原さんはTOKYO DIME女子でのキャプテンと仕事を両立する「デュアルキャリア」として活躍されています。
実際に練習がある日のスケジュールを教えてください。

仕事自体は9時から17時半の定時で働いています。会社自体が出社とリモートワークの半々で働けるハイブリッド型を導入しているので、基本的には自分の予定次第で調整できます。定時で仕事を終わらせてから、練習に向かうイメージです。

―デュアルキャリアのメリットや両立するコツがあれば教えてください。

デュアルキャリアは 一見「大変だ」という印象が先行すると思いますが、仕事も競技もメリハリをつけることができる働き方だと思います。
仕事においても競技においても双方のモチベーションになるので、両方が相互作用で頑張る理由になるのがいいですよね。限られた時間の中でこなさなければならないので、効率も上がりますし、両方とも全力投球できます。

―小原さんがデュアルキャリアをする中で得たものは具体的に何かありますか?

「分析からプロセスを踏む考え方」「コミュニケーションの取り方」でしょうか。
どちらも社会人アスリートとしてやっていく中で、必要不可欠なスキルだと思いますし、こういった恵まれた環境に身を置けるのは周囲の方々の協力があってこそのものだと思っています。

―こういった働き方、競技継続の方法があるということを、多くのアスリートに知ってもらいたいですよね。

そうですね。デュアルキャリアはきっと皆さんが思っているよりも大変ではないんですよ。先入観で誤解している人もきっと多いと思います。もちろん自分の中で時間やスケジュールを管理していく必要はありますし、忙しいのは事実です。ですが一方で、逆をとれば時間の使い方がうまくなりますし、バランスのとれた生活ができるようになるのでいいこと尽くしだと思っています。どちらも全力で頑張りたいなら、私はデュアルキャリアをおすすめします!

「考える力」‐バスケが与えてくれたもの‐

―小原さんがスポーツ経験を通して得たチカラは何ですか?

「考える力」です。これは全ての原点だと思っています。
上手くいかなかったことだけでなく、上手くいったこともなぜ、どうしてそうなったのか物事の根源を可視化できるように深掘っていき、PDCAを回していくことはバスケを通して学んだことだと思います。

―そのチカラは仕事ではどういった場面で活かされていると感じていますか?

打合せや商談の進行中に実感します。
今の伝え方は話の流れ的にわかりやすかったか、かみ砕いた伝え方はできたか、ここから次にどう繋げたら先方は理解してくれるかなど、常にあらゆる策を考えています。打ち合わせ中だけではなく、その前後のフローも含めてどんな流れがスムーズか、事を運びやすいかなども考えますね。振り返りと反省も欠かせないです。

―TOKYO DIME女子の中でもその力を発揮できていると感じますか?

特にプレーの振り返りの時に感じます。改善策を出すときに「次回は意識します」とか伝える場面ってあると思うんですけど、改善の仕方を根性論だけじゃなくて、HOW TOを明確にしていくこと、HOW TOを導き出すための考えのプロセスは重視していますね。それが次の行動に繋がっていくと思っています。

―今後小原さんが強化していきたいチカラは何ですか?

「実行力」です。考える力はついていても、行動に移せなかったら意味がありません。
頭ではわかっていても、行動に移すのは中々ハードルが高いこともあると思います。
行動に踏み切る勇気も含めて、とりあえずやってみようという行動力は個人的につけていきたいです。


今後のTOKYO DIME女子とプレーヤーとしての自分

―TOKYO DIME女子が乗り越えていかなくてはいけない課題はありますか?

他のチームと比べて劣る部分が多くあるからこそ、チームとして補強することはもちろん、自分自身もその部分に貢献できるようなプレーヤーになりたいと思っています。
まずは一人一人が成長することでチーム力を向上させ、強豪チームともしっかり勝負ができる、そして勝てるチームにしていきたいですね。

―今後TOKYO DIME女子のプレーヤーとしてはどうなっていきたいですか?

『キャプテンとしてこう在らなきゃいけない』という意識は正直あまりなくて(笑)
先ほどのチームの課題と被りますが、苦しい時にチームの力になれるようなプレーヤーになっていきたいと思っています。
それはチームを引っ張るという意味合いだけではなくて、良い時も悪い時も士気を高められるような雰囲気作りもできるプレーヤーでありたいです。

―最後に、TOKYO DIME女子に加入したい方にメッセージはありますか?

私たちは本気で「日本一」を目指しています。
一緒に日本一を目指して頑張れる方は大歓迎です!また、3x3界を先頭で盛り上げられるのもTOKYO DIME女子だと思っています。
また、私たちがこうして活動できているのもチームを応援してくださるファンの皆様や地域の皆様、スポンサー企業の皆さま、支えてくださるスタッフの方々のお陰です。そのため、競技の練習だけすれば良いという考えではなく、支えてくださる方々との交流やイベント活動を大切にしています。DIMEで活動していく中でベクトルを自分自身、周囲のコミュニティ、社会全般のように役割を広げていきながら一緒にチームと3x3全体を盛り上げていけるような仲間になりましょう! 


編集後記

今回はTOKYO DIME女子のキャプテンを務める小原さんにインタビューさせていただきました。
インタビューの中から、小原さんの人生を形成する基盤でもある「考える力」や「思考力」は、バスケットボールやデュアルキャリアを通じて得られた力でもあるのだなと感じることができました。
現在は怪我の治療でリハビリ療養中ですが、だからこそコートの外から見える世界があり、そこで得られる要素をもチームと自分のアップデートに活かしている小原さん。
復帰後もチーム内で活躍される姿を楽しみにしております。
これからもチームの中心メンバーとして頑張ってください!
インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!

写真提供:TOKYO DIME

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