現役アスリートインタビュー現役アスリートインタビュー

デュアルキャリアが、
私を成長させてくれた
プロサーファー
田岡 なつみ さん
2017年、株式会社マイナビへ新卒入社

高校生の頃からプロサーファーとして活躍し、2 年連続で JPSA(日本プロサーフィン連盟)の女子ロングボード部門のランキング 1 位を獲得する他、世界レベルでも活躍する田岡なつみ選手。
昨年には、ショートボードのプロ資格も取得して、オリンピックの舞台を目指していますが、そんな彼女には、㈱マイナビの社員というもう一つの顔があります。

デュアルキャリアを歩み出すまで

デュアルキャリアを歩み出すまで

―今、田岡選手はプロサーファーとして活躍する一方、「マイナビ」で働かれているそうですが?

そうなんです。2 年前に新卒として入社し、月曜から水曜まではフルタイムで出社して、木曜から日曜は、生活拠点としている千葉の海に入ったり、サーフィンの試合に出場したりしています。海外遠征や大きな大会の前には、もう少し長い期間のお休みを頂くこともありますが、基本的にこのサイクルで『デュアルキャリア』 をおこなっています。

―そもそも、就職するきっかけは何だったんでしょうか?

家族の影響もあって小学校の頃にサーフィンをはじめて、高校の時にはロングボードのプロ資格も取ったのですが、大学へ進学した先に社会人となることは、かねてからの両親との約束でもあったんです。となると、大好きなサーフィンを続けるには “仕事もサーフィンも両方すればいい” と――。

―プロサーファーだけで、とは考えなかったんですか?

正直、サーフィンの世界ではなかなか“プロ一本”で競技を続け、生活を成り立たせることは難しい のが現状です。遠征費一つとっても負担は少なくないですし。周りにはアルバイトをしながらプロサーファーを続ける仲間もいます。私の場合、両親との約束がありましたが、それがなかったとしてもプロ一本を選んだかは正直わからないですね。

プロサーファーだけで、とは考えなかったんですか?

―では、就職先に「マイナビ」を選んだ理由は?

就職活動を進めていく中で、サーフィンと仕事の両立を企業様に理解して頂くことは非常に難しくて。 それどころか話すらまともに聞いてもらえないことがほとんどでした。「サーフィンって、副業ですよね」「遊びと両立と言われても…」といった有り様で、サーフィンそのものを否定されることもあり、悔しい想いも一度ではありませんでした。
そんな時、所属事務所の方にマイナビを紹介頂き、私の現状を話して、先ほど触れた働き方を理解して頂けたんです。非常に嬉しかったですね。

―この決断に、周囲の反応はいかがでしたか?

両親は納得してくれましたし、応援もしてくれています。そして、一緒にツアーを回る選手からも「どうやって就職したの?」と相談を受けることも増えましたね。就職先が決まらない時には、「サーフィン、辞めちゃおうかな……」 なんて事も頭をよぎりましたが、このような結果になって良かったと感じています。

社会人ライフは悪戦苦闘の日々

社会人ライフは悪戦苦闘の日々

―働き出した当初は、どんな感じだったのですか?

調査・集計の仕事ということは当然、パソコンを使うのですが、大学のレポート作成などでWordを使う程度で、パソコンスキルなど何もない身……。『Excel初級』なんて本を買ったりして、入社当初は文字通りイチから勉強の日々でした。それと、働き出してビックリしたのが “電話の取り方” です。

―電話、ですか?

どの方も電話に出るのが凄く早いんですよ。パソコン作業をしている私では、全然間に合わない。一度、ビーチフラッグに出るような感覚で、電話に出る事だけに集中してみたのですが、それでも取れませんでした( 笑 )これは一つのエピソードですが、様々な場面でマルチタスクをこなす万能ぶりに驚かされましたね。

―仕事の厳しさを見せつけられたと。

今思えば、サーフィンと勉強だけをやってきて、社会人としての武器がない身ですから当然なんでしょうけどね。でも、仕事が辛いと思うことはありませんでした。業務のシビアな部分とは裏腹に、一緒に働く社員の方々は本当に優しくて。

部署内では最年少なんですが、娘を見守るように何かと気にかけ、アドバイスをくださいます。私にとってお父さん・お母さんみたいな存在です(笑)

―出社日のスケジュールはどんな感じですか?

起きるのは 5 時 45分くらい。そこからストレッチや軽い体幹トレーニングなどをして、6時半頃には朝食、だいたい7時半には家を出てオフィスへ向かいます。通勤が片道1時間程あるのですが、その間は海外ドラマ・映画などを観て、英語の勉強に充てています。1人で海外の試合に臨むこともあり、語学力は少しでも磨きたいので……。「マイナビ」での定時は 9:15 ~ 17:45 ですが、その大半はデスクワーク。1時間に 1度は席を立ち、少し身体を動かすようにしています。

今が一番、競技にも集中できている

今が一番、競技にも集中できている

―そんな『デュアルキャリア』を送られていて、競技への影響はいかがですか?

「マイナビ」に就職した 2017年シーズンは、これまでで最も成績が良かったんです。JPSA(日本プロサーフィン連盟)の女子ロングボード部門でランキング 1位を取ることができましたし、ショートボードのプロライセンスも取得。大きな飛躍の年になりました。

―なかなか練習の時間も取れなかったと思うのですが……。

いえいえ。私の場合、学生の頃のほうが時間はなかったです。大学の時は、アルバイトをいくつも掛け持ちして遠征費や留学費を稼ぎましたし、授業もありましたから、海に入るのは週に平均1 ~ 2回という状況でした。
週に 4日も練習ができる今は、本当に恵まれていると思いますし、これが週7日でない事も、私にとってはメリハリになっている気がします。時間が増えたとはいえ、毎日海へ入れる訳ではないからこそ集中できているなと。

なかなか練習の時間も取れなかったと思うのですが……。

―他に『デュアルキャリア』のメリットはどこに感じていますか?

金銭面の負担が減ったと思います。遠征費が賄えずに全てのツアーを回れないなんて不安はなくなりましたし、パーソナルトレーナーについてもらっているのも、千葉に拠点を置けているのも、安定した収入があってこそ。加えて、「マイナビ」という会社の “アスリートへの理解の深さ” も大きいと思います。

―その理解の深さは、どのあたりに感じていますか?

サーフィンって、どうしても天候に左右されるスポーツなんですが、月曜~水曜の出勤を基本としていながらも、あらかじめ「○日に台風が来るな」とわかっていたら、出勤日をずらして “いい波” の時に海へ行かせてもらったりしています。とてもありがたい状況です。そして何より『デュアルキャリア』を送るようになって変わったこと……。それは応援して下さる方々が増えた事ですね。

―同僚の方々のことですか?

そうです。皆さん試合前には「頑張って!」と声をかけてくれますし、結果も気にかけてくださいます。私をきっかけにサーフィンに興味を持った方もいるようですし、そんな周囲のリアクションが一番嬉しいですね。

私が “ロールモデル” になれたら

私がロールモデルになれたら

―では、かつての田岡選手と同じ悩みを持つアスリートにメッセージはありますでしょう

「私は今、人生で一番 “自由に楽しく” サーフィンができています。このような環境にいられるのは、マイナビという会社の温かさや同僚のサポート、家族や所属事務所の支え、そして迷う時もありましたが、軸をぶらさずにサーフィンへ向き合えたからです。
『デュアルキャリア』という考え方をもっと知って欲しいですし、このような選手生活をぜひ、選択肢に入れて欲しいですね。

―田岡選手ご自身として、今後の目標はありますか?

2018年シーズンは、充実できた部分と課題が見えた部分、両方あったシーズンでした。ロングボードでは昨年と同じ結果を残せましたが、ツアーに初参戦したショートボードでは納得いかない結果に。
この冬の間が勝負だと思いますし、『デュアルキャリア』を続けていければ必ず結果を残せる自信もあります。来年はもっと同僚にいい報告ができたらと

―それでは『デュアルキャリア』は継続していくと。

もちろんです。私はまだ “引退後” をそこまで意識してはいませんが、「マイナビ」での勤務は、人生のキャリアにおいてもプラスに働いていると思うんです。社会人のスキルも磨けていますし、周囲から「しっかりしたね」なんて言われるようにもなりました。もし大学卒業の時に戻って、もう一度自由に進路を選択できるとしても、私は同じ生き方を選びます。競技だけの生活よりも気持ちは安定し、結果がでると思っていますので。
サーフィンの世界でも、私の他に『デュアルキャリア』を歩む選手が出始めています。先駆者と言うとおこがましいですが、私自身が “ロールモデル” になれたら最高ですね。

私のデュアルキャリア

働き方

週3日(月~水)で、9時15分~17時45分のフルタイム勤務

仕事内容

学生の就活動向を調査・集計業務。その他、来客対応や広報業務。

競技活動

サーフィンのシーズンは4~11月。年間約20試合に参戦。
オフシーズンは海外でトレーニングすることも。

プロサーファー田岡なつみ

プロサーファー

田岡 なつみ

千葉県出身。JPSA公認プロロングボーダーである。 2011年16歳でプロデビュー。 2017年、JPSA(日本プロサーフィン連盟)において、ロングボード女子でグランドチャンピオンを獲得、日本一に。また、世界組織であるWSL(ワールドサーフリーグ)の ASIAリージョナルでもランキング1位を2年連続で獲得

私にとってデュアルキャリアとは、私が輝ける最高の環境私にとってデュアルキャリアとは、私が輝ける最高の環境